XR2206によるVF変換は簡単ではありません。なぜならXR2206は電流−周波数変換になっているからです。しかもICから流出する方向です。そこで電圧を電流に変換する必要があります。WEBサイトをみるといろいろな方法でやっています。今回は精度も安定度も考えずに基板に乗ることを考えました。
結果OPアンプによる電圧電流変換回路を使います。
何も考えずに f = ( 320 × It ) / C の式で計算して上記のRとRcを出しましたがこれがいけなかった。
周波数が高いところになるとどうも不安定です。ドリフトも激しい。昔の真空管式Rigのようで懐かしかったです。なんて言ってられません。1時間エージングが必要になりました。参考にドリフトの計測結果は下記のようです。この図の改造とは熱源のFMトランスミッターを外に出しました。なお入力電圧は1mVの変化(測定限界)でした。
これに周囲温度が絡んでくるのでたまりません。朝と昼で全く計測結果が違います。
(なお可聴周波数によるSWR計のリモート化 その2の特性図は回路変更前のものです。)
もう一度データシートをみるとドリフト特性は実用範囲です。さらに読み進めるとなんとタイミング抵抗の限界値が出ているではありませんか。ドリフト特性(
データシートのFigure 9)、タイミング抵抗の範囲(
データシートのFigure 5)
この図の境界を外れて動いていたようです。追試したところ R = 2.2KΩ、C = 0.18μF で 計算では2.525KHz のはずが 6.115KHz でした。
改めて回路を変更します。
f0 = 1 / ( R × C )
このf0とはIc=0のときすなわちVc=3Vのときです。可聴周波数のMAX(電圧で5V付近)を5kHZくらいにしたいので3Vでは2.5kHzとします。 Rは推奨値と手持ちの関係から67KΩです。
f0 = 1 / ( 68K × C ) = 2.5KHz
∴ C = 0.0059 μF
コンデンサはセラミックコンデンサの472とフイルムコンデンサの122を使いました。
Vcと周波数の関係はデータシートより
f = (1 + ( ( R ( 1 - Vc / 3 ) ) / Rc ) ) / R ・ C