検出部の調整です。次の手順で行います。
1、CM型方向性結合器のバランス---------------------C1とC6の設定
2、パワーとRLの増幅度の設定-------------------------R10、R12の設定
3、RL側のAD8307のy-切片の調整--------------------R6の設定
4、パワーの最小測定値の設定-------------------------R26の設定
5、校正-------------------------------------------------------メーター値を絶対値に設定する。
この内1と2が最も重要です。ここが終われば後は何をしなくても構いません。最終的に周波数でつじつまを合わせます。1、は大前提ですのでここができないと後は何をやってもだめです。2、はパワー値に対するリフレクター値の関係ですのでここがだめだとパワーによってSWR値が変わってきます。
1、CM型方向性結合器のバランス
ここは製作状態にも寄ります。T1のトロイダルコア(T50-3)に巻くのは原典では#22AWGエナメル線バイファイラ巻きで11ターンです。コアに均等に巻きます。#22AWGは直径0.64mmです。これをT50-3に巻くと中にいれるRG58AUが結構きつくなります。原典のRG8Xならなおさらだと思います。私は手持ちの0.5UEWをまきました。細い場合は2本をよって1本にして巻きますが0.5mmでは難しいので2本並べて11ターンを均等に巻きます。CM型の2次側の抵抗は16.2Ω1/2Wと11.5Ω1/4Wです。これも実に良く計算されています。-40dBの結合係数を作っています。この辺のところは原典の10ページに詳しく記述されています。購入はMouser Electronicsより購入したとなっていますが、私はマルツパーツより購入しました。丁度の値が無いので16.2=15+1.2、11.5=10+1.5としました。また0.1μFは50V公称値を指定しています。100W以内なら何でもよいと思います。その他細かく部品の指定がありますが全て手持ちで済ませました。
調整ですが原典ではOUTを50Ωで終端し7MHz10mWをInより入れます。DVM(テスター)で回路のJ3つまりReflector側のAD8307の出力電圧(U1の3pin)を測ります。実際にやってみるともう少しパワーがあった方が調整はしやすいです。
調整はC1の同軸を使ったコンデンサーの中心導体を少しずつ動かし電圧最低点を探します。このときC6のトリマは真ん中にしておきます。当初ここは相当シビアだと考えていましたがそんなことは無く1mmづつ動かしていけば簡単に最低点が見つかります。何しろ1cmで1Pですので充分調整可能です。むしろC6の調整のほうが厄介です。あまりにもブロードすぎて何をやっているのか分かりません。
50Ωで終端すれば反射ゼロですのでこの電圧は0になると考えていましたしかし何度かやってやっと気付いたのですがlog化したあとRL30dBはSWRで1.07です。40dBは1.02です。この間すべて電圧として出力されます。だから電圧ゼロはありえません。まして手作りのダミーならなおさらです。
C1を調整して最低がでればOKです。その状態で今度はC6のトリマーを回してさらに最低点を探ります。実際やってみたらC1の中心導体が1cmくらい出た状態でした。これだとケースに当たる可能性があるのでもっと奥に突っ込みたいと思い、C5に56Pを追加しました。大体3mmくらい出た状態になり完成です。一応C1が動かないようにシリコンゴムで固めます。原典では28MHzでも行いC6の差が無くなるようにT1の巻き方を調整して7Mhzと28MhzでのC6の差を最小にすることが記載されています。
2、パワーとRLの増幅度の設定